要約
この課は、極限の定義から、毎回 を探さずに極限を計算できるようにする法則を導く。証明は、それぞれがそれ以前のものを活用するように並べてある。ε-δ 論法で証明する三つの補題がすべての法則を一つの不等式に帰着させ、それらを用いて和、積、逆数、商の極限が得られる。そこから多項式と有理関数の極限が導かれ、それが直接代入を正当化する。続いて累乗根と有理数を指数とする累乗の極限、そして合成関数の極限の定理が得られ、これが変数の置き換えを正当化する。課の最後では法則が述べていないことを扱う。商が有限の極限をもたないのはどんなときか、そしてなぜ法則は逆方向には成り立たないのか、である。問題では、因数分解、有理化、変数の置き換えによって 型の不定形を扱い、極限が存在するように定数を定める。
学習目標
- 上界による判定法を ε-δ 論法で証明し、そこから和、積、逆数、商の極限を導く。
- 多項式、有理関数、累乗根、有理数を指数とする累乗の極限を証明し、条件に注意して直接代入を適用する。
- 合成関数の極限の定理を証明し、その仮定の必要性を認識し、変数の置き換えとして適用する。
- 型の極限を因数分解、有理化、変数の置き換えによって計算し、商が有限の極限をもたないのはどんなときかを証明する。
証明の計画
実変数関数の極限の課では、定義を用いて が証明され、その作業は を の定数倍で押さえることであった。この課のすべての法則は同じ形をもつ。関数 が に近づくことを証明するには、距離 を、小さくなることがすでにわかっている距離の定数倍で押さえる。そうであれば、そのような押さえで十分であることを ε-δ 論法で一度だけ証明しておくのがよい。そうすれば、各法則は適切な不等式を見つけることに帰着し、ε-δ 論法による議論は一度も繰り返されない。
この課を通じて、 と は同じ集合 で定義された実関数であり、点 は の集積点である。また、 が「 の近くで」何かを満たすというときは、ある が存在して、すべての ( の元で を満たすもの)がそれを満たすことを意味する。前の課からは、定義、極限の一意性、定数関数と恒等関数の極限、極限は点の近くの値だけで決まるという補題、そして局所有界性と符号の保存を用いる。
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