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Topos Uranos

要約

この回では、命題と証明を、手で書いた太字としてではなく、宣言した環境として組む方法を学ぶ。宣言することで得られるもの(番号付け、参照、一貫性、一行で変えられるスタイル)を説明し、amsthm パッケージとその命令 \newtheorem を、番号なしの形、共有カウンタと独立カウンタの違い、節や章の中での番号付けとともに紹介して、論文と本にそれぞれどの番号付けが合うかを導く。命題の役割に応じて \theoremstyle の三つのスタイルを区別し、結果に名前や出典を与えるオプション引数を示す。proof 環境、その日本語の見出し、終わりの記号、そして \qedhere が直す欠陥を調べる。cleveref で命題を参照する方法を学び、名前を宣言しないときに何が書かれるかを、知っておくべき共有カウンタの振る舞いも含めて確かめる。\newtheoremstyle と thmtools を簡単に紹介し、これらの環境を数学の外で使う例を示して、最後によくある誤りとそのログを扱う。

学習目標

  1. \newtheorem と \theoremstyle で定理、補題、定義、注意を宣言し、命題の役割に応じてスタイルを選べる。
  2. 共有カウンタと独立カウンタ、通し番号と節ごとの番号のどちらにするかを選び、結果として付く番号を予測できる。
  3. proof で証明を書き、独自の見出しを与え、証明が別行立ての数式やリストで終わるときに \qedhere で終わりの記号を正しい位置に置ける。
  4. \cref で命題を参照し、cleveref が正しく名前を付けられるようにプリアンブルの順序を整え、「??」や誤った名前を出力する参照の原因を突き止められる。
  5. 命題の宣言でよく起こる誤りのログを読み取り、その原因を直せる。

なぜ命題を宣言するのか

論証的な文章は、役割の異なる命題からできている。定義は用語の意味を定め、定理はこれから証明することを主張し、補題は定理の準備をし、系は定理から導かれ、注意は新しいことを主張せずに説明を加える。組版の伝統は、それらを見出し(「定理 3.」)、引用を可能にする番号、そして見た目で区別してきた。これをすべて手でまねることを妨げるものはない。太字と、著者が書く番号を使えばよい。

LaTeX コード
\textbf{定理 2.} 2 より大きい素数はすべて奇数である。​\textbf{補題 3.} $n$ が偶数ならば $n^2$ は偶数である。

印刷された結果は、宣言した環境のものと同じになりうる。欠陥はソースにあり、それは相互参照の回とマクロと自分のプリアンブルの回が別の対象について指摘したのと同じ欠陥である。そうだとすれば、そこから四つの損失が生じる。手で書いた番号は、最初の命題が挿入された時点で正しくなくなる。ラベルを付ける対象がないので、参照はまた手で書いた番号に戻る。見た目は著者の記憶に頼ることになり、一度うっかりすれば、ある定理だけがほかと違う組み方で出てしまう。そして学術誌が命題を別の書体で求めれば、一つずつ直さなければならない。thm 環境を宣言することは役割に名前を付けることであり、プリアンブルに一度だけ書かれたその定義が、番号と見出しと見た目を定める。