コンテンツへスキップ
Topos Uranos

要約

この回では、論文でもプレゼンテーションでもないが、研究生活に必ずついて回る三つの文書を組む方法を学ぶ。ポスター、手紙、履歴書(CV)である。ポスターが立ったまま離れて読まれることから必要な文字サイズを導き、A 判の用紙の比率から普通の用紙でポスターを確かめる方法を導く。tcolorbox の poster ライブラリを、その段組み、ボックス、文字サイズの段階とともに紹介し、同じ目的のクラスをほかに二つ挙げる。letter クラスと KOMA-Script の scrlttr2 を比べ、論文投稿の添え状、依頼状、推薦状について日本語の日付、頭語、結語を定める。moderncv とその様式と命令を、スペイン語で起こる問題とその解決策とともに紹介し、論文の執筆に使うのと同じ文献データベースから、キーワードで絞り込んだ業績一覧を取り出す研究者用の CV を組む。最後に、文書の種類ごとにクラスを割り当てる表を示す。

学習目標

  1. 読まれる距離からポスターの文字サイズを計算し、それを A 判の縮小版に移す。
  2. tcolorbox の poster ライブラリでポスターを組み、ボックスを段と行に配置し、文字サイズの段階を一つのオプションで決める。
  3. letter と scrlttr2 から選び、それぞれで日本語の日付、頭語、結語を備えた手紙を書き、一方の命令を他方の命令に書き換える。
  4. moderncv で履歴書を組み、babel のスペイン語で起こるエラーを説明して修正する。
  5. 文献データベースからキーワードの絞り込みで業績一覧を取り出す研究者用の CV を組み、各一覧に何が入るかを予測する。
  6. 学術的な文書の種類ごとに適したクラスやパッケージを選び、その選択を決め手となる特徴によって根拠づける。

文書ごとに道具がある

ここまでのクラスは、続けて読まれる文章のためのものだった。レポート、論文、学位論文である。前回は、それに投影するプレゼンテーションを加えた。研究生活ではほかに三種類の文書がしばしば必要になり、それぞれに独自の約束事がある。学会で立ったまま離れて読まれるポスター、差出人、宛先、日付、結びの挨拶をもつ手紙、そして経歴を年代順に整理する履歴書である。どれにも、その約束事を心得たクラスやパッケージがあり、これまでの単元で学んだこと(fontspec、babel、リスト、biblatex)はその中でもそのまま通用する。